2011年7月27日水曜日

「亡霊軍団の進撃」あらすじ:セッション4 亡霊戦士

以下は6月8日にRole & Roll Stationで行われたD&D Encounters シーズン4「亡霊軍団の進撃」第4回セッションのあらすじになります。

完全なネタバレになりますので隠します。


太陽がちょうど地平線の向こうに沈み始めるころ、移民団のキャラバンはインヴァネス城の正門に近付きつつあった。門をくぐり終えるころには周囲はすっかり暗くなり、キャラバンの周りには松明の明かりが灯されていった。これまでの行程は過酷なものだったが、移住者たちは意気貢献で、冒険者たちの助力に大変感謝しているようだ。

キャラバンの荷物をおろし、冒険者たちがスプリンターシールド師やマルグラムと話をしていると、突然野営地の静寂を切り裂くような絶叫があがった。悲鳴がした方に目をやると、ぞっとする光景が飛び込んでくる。かつては中央の塔の基部であった崩れた丸い石組みが揺れ動き、歪んでゆく。そして冒険者たちの目の前で堂々たる塔が、まるで幽霊のように現れる――半透明だが、しかし傷ひとつない塔がその基部から伸びてゆく。塔の幻影が完全な高さまで伸び上がってしまうと、それは実体化した。わずか数秒のうちに、インヴァネス城の中央塔は――それが建設された当時の如く全く現実のものとして――かつてあった場所に鎮座しているのだった。

冒険者たちが塔を調査するが、出入り口らしき場所は一切見当たらず中に入れない。スプリンターシールド師は構わず浄化の儀式の執行を優先し、侍祭たちをあちこちに走り回らせている。スプリンターシールド師は城の廃墟の正門近くに位置を占め、壁の周囲に円陣を描いて散らばった12 名の侍僧たちとともに、この場所を浄化し、また邪悪から守るための儀式を開始した。

だが、数分もしないうちにスプリンターシールド師が警告の叫びを上げ、儀式は中断された。城の入り口へと続く道を、動く骸骨が何体も、そして腐った死体までもがいくつかやってくるのが見えた。城の内部で守りを固めるものたちに助けを求めた後、スプリンターシールド師は儀式を再開する。

マルグラムは配下のレンジャーたちに指示をだし、素早く矢を射かけて開拓民たちを守る陣形を城の城壁に沿って構築した。冒険者たちは儀式執行のために唯一無防備な状態を晒しているスプリンターシールド師と侍祭たちを守るために、砦の正面ゲートがあった坂道を駆け下り、ゾンビたちを蹴散らしはじめる。だがしかし、アンデッドの軍勢は付近一帯の古戦場跡の地面の下から、次々とわき上がって復活し、終わりのない波状攻撃を仕掛けてくる。

1分間ほど続いた攻防を永遠とも思える長さに感じ始めた時、スプリンターシールオ師の儀式が完成した。明るい光が侍祭たちの組む円陣から迸り、丘の頂上から雷鳴のような音が響き渡った。残っていたアンデッドは即座に崩れ落ちて塵と化した。だがインヴァネスの中央塔はいまだにその威容をとどめていた。

英雄たちがアンデッドとの戦いで疲れた体を癒していると、正門の見張りをしていた兵士が冒険者たちとスプリンターシールド師、マルグラムを呼びにやってきた。兵士はひどくあわてた様子で、彼らを正門まで連れて行った。

彼らが正門に着くと、インヴァネス城に続く道をひとりの完全武装した兵士が歩いてやってくるのが見えた。兵士の着ている鎧は大変古めかしい様式のもので、紋章の入った盾を手にしていた。しかしもっとも奇妙なことは、その兵士の体が半ば透けて見えることだ。彼はどうやら幽霊のようだった。

その幽霊めいた兵士は道をやってきたが、儀式が行なわれた場所のすぐ手前で立ち止まった。亡霊はすぐ前の地面を見回した――まるで誰にも見えない障壁を検分するかのようだった。そうして顔を上げ、城に向かって、この世のものとも思えぬきしむような声で叫んだ――その声は廃墟じゅうにこだました。

「このサラザール・ヴラディストンの行く手を阻むは何ものだ? 何の権限あって貴様らは我を我が聖所から遠ざける? この侮辱に責あるものを我が前に差し出せ、されば我はその者を殺してこの呪文を打ち破ろうから」

幽霊戦士に恐れるふうもなく、スプリンターシールド師は前に進み出た。幽霊戦士サラザール・ヴラディストンは、戦闘で対決するなり、浄化の儀式を取り払ってインヴァネス城の廃墟から立ち去るなりしろと師に要求した。だがしかし、スプリンターシールド師は幽霊戦士に対して、いささかも気後れすることなく、ここに新たな村を作るのはモラディンの御意志であり、亡霊の脅威などいかほどのものでもないと、強硬に跳ね除けるのだった。

話は平行線となり、ついには物別れに終わる。スプリンターシールド師は亡霊の要求を全て撥ね付け、脅しに対してはそれと同じだけの悪態をついて言い返した。

遂に亡霊戦士は、スプリンターシールド師とインヴァネス村の住民たちに、恐ろしい呪詛の言葉を投げつけて、闇の中へと消えて行った。

「貴様らが今夜拒んだのは悩み苦しむ魂ひとつ。が、亡霊軍団に対してはいかに振る舞うか、とくと見せてもらおうではないか」

という捨て台詞を残して。

かくしてインヴァネス村は新たな一歩を踏み出した。しかしこの先に待ち受けている呪われた運命を、この時知る者は、その時そこには誰ひとりとして、いなかったのである…。

※このあらすじはD&D Encountersの大まかなストーリー・プロットを説明するためのもので、必ずしも実際に行われたセッション内容を、100%反映している訳ではありません。

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