2011年7月24日日曜日

「亡霊軍団の進撃」あらすじ:セッション3 偵察

以下は6月1日にRole & Roll Stationで行われたD&D Encounters シーズン4「亡霊軍団の進撃」第3回セッションのあらすじになります。

完全なネタバレになりますので隠します。


移民団は、ついに目的地であるインヴァネス城の廃墟にたどり着いた。沈みゆく太陽が投げかけるオレンジ色の光が、かつて偉大だったであろう城の廃墟を浮かび上がらせる。崩れた石壁の周囲には伸び放題に草が生い茂り、自然の防波堤を築いているように見える。城壁の四隅に備え付けられた塔は、様々な崩れ具合でその骸を晒していた。廃墟の中央付近には古い風化した石が丸い形で円を描くように並んでいるのが見える。それはかつて中央塔があったものの、紛れもない名残であろう。開拓民と冒険者たちがその光景に魅入られたように佇んでいると、ファルディラが痛ましげな声で告げた―――「インヴァネス城へ、ようこそ」。

ファルディラの話では、インヴァネスには幽霊が出るという。ネンティア谷にはそのような場所が他に2つほど存在しているらしい。冒険者たちがファルディラと話をしていると、スプリンターシールド師が近付いてくる。彼は英雄たちに、インヴァネス城に先行して偵察をしてきて欲しいという。危険があるかも知れないインヴァネス城には、安全がある程度確認されるまで開拓民たちも、浄化の儀式を行う侍祭たちも、廃墟には立ち入らせるわけにはいかない、というのである。という訳で、ここ最近活躍目覚ましい冒険者たちに、再び白羽の矢が立ったのである。

城塞の門に近付くにつれ、荒れ果てた廃墟の詳細が、冒険者たちの目にあらわになってくる。正門は完全に残がいと化し、アーチの両側が背の高い人間の背丈ていどに残っているだけだ。正門を抜ける時に、冒険者たちはまるで異界に入り込んだかのような錯覚を受け、体が恐怖に震えだすのを感じる。明らかにこの場所には、何か良くない力の影響が及んでいる様だ。

城の中央塔があったとおぼしき場所は、今では石材の輪が残るだけとなっていた。数十年間、触れる者も居なかったのは明らかである。城の基部を構成していたであろう石材を調べてみると、それはこれまで見たどんな建物の石よりも古いものの様に見える。そしてその石には、誰も読むことのできない文字が刻まれていた。

遺跡の西端には、すり減った墓石の並ぶ小さな墓地があった。1ダースほどの墓石が、歳月に摩耗し、風化しながら静かに佇んでいた。だが奇妙なことに、城塞の他の場所と比較するとこの墓地周辺の植物の繁茂する様子が明らかに異なっている。どうやらこの場所は手入れされており、定期的に掃除されている様に見える。そして冒険者たちはその墓石に中にひとつだけ、墓碑が読めるものを発見する。「オルディヴィヤ・ブラディストン、妻にして友」と、そこには記されていた。

かつての噴水広場に向かった冒険者たちは、その場所がコケやカビに浸食されていないことに、奇妙な違和感を覚える。その直後、噴水の中に潜んでいたオーカー・ジェリーがパーティーに襲い掛かる。スライムは分裂して冒険者たちを苦しめるが、所詮は彼らの敵では無かった。ジェリーを倒した冒険者たちは、取り敢えず城塞に潜む目に見える脅威を掃討できたと確信すると、移民団に帰還し、スプリンターシールド師に状況を報告する。氏は浄化の儀式を執り行う侍祭の一団を先頭に、インヴァネス城に向かうよう移民団に号令を掛けるのであった。

冒険者たちはインヴァネスの廃墟で見たことをファルディラにも報告した。かつて城の中央塔を構成していた敷石の上に刻まれていた言葉を書き写したメモをファルディラに見せると、彼女はそこに書かれていた言語を知っていた。それは遥か彼方の土地を起源とする言葉で、賢者たちはその土地のことを「オアース」と呼んでいるのだと、冒険者たちに教えるのだった。そして墓石に刻まれていた「オリディヴィヤ・ヴラディストン」とは、数十年前にネンティア谷で名を馳せた冒険者部隊「しろがね団」に所属していた女性のメンバーの名前だったことも。

※このあらすじはD&D Encountersの大まかなストーリー・プロットを説明するためのもので、必ずしも実際に行われたセッション内容を、100%反映している訳ではありません。

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